トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第2章 生活習慣のタブー(29)
教育クリエイター 秋田洋和論集
小遣い制だとすぐ使ってしまうので、お金は必要なときに渡している
子どもが高校生になっても、小遣い制ではなくお金を必要なときに必要なだけ渡している家庭は少なくないと聞きます。小遣いとは別にお昼ごはん代や交通費など諸々のお金を渡す必要が多々あるため、その境界線があいまいになってしまうからです。
「必要なときに必要なだけ渡す」スタイルは、親にとってはお金を渡す際にその用途を確認できるメリットがあり、子どもにとっても便利ですから、
「お互い都合がいいから、これでいいじゃないか」
と考えがちです。しかし中高生には、
たとえ失敗しながらでも、経験してはじめて覚えていくこと
がたくさんあります。その一つが「金銭管理」なのです。
小遣い制を採る家庭と採らない家庭の間では、子どもに決定的な違いが生じます。
得たお金には限りがあるので、計画的に使っていく
という、当たり前のことを「経験したかどうか」の差です。使いすぎて困ったという失敗、コツコツ貯めてほしかったものを購入したときの喜び、すべては社会人となった後のシミュレーションと考えることもできます。
小遣いとして自分が得たお金を工夫して使う
ことこそ「経済活動の最小単位」です。中高生の間にこの経験をさせるチャンスを、みすみす逃す手はないと思います。
また、「金銭管理」と「時間管理」は密接につながっています。
全体の枠(総量)が決まっているとき、各項目をどのように按分するか
の経験は、お金であれ、何度も失敗を繰り返しながら覚えていくしかありません。
・一カ月の小遣いを、どんなペースで何に使っていくか
・テスト前の一週間を、どんなペースでどの教科の勉強に割り振っていくか
この二つが同じことだと気づければ、自立の一歩を踏み出したと言えるでしょう。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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