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コラム …男の珈琲タイム
大野明さん。90歳。過去に生きるか死ぬかの大病を患った。その時でも笑って酒を飲んでいた。そして見事、病に勝った。仕事は材木屋だ。材木のまち飯能で財を成した。それだけなら平凡だ。しかしこの大野さん、登山家としても日本で10本の指に入る。今ではムーミンのように太っているが、若い頃には瘦身で、筋肉が盛り上がっていたそうだ。100m走ではいつもトップだった。その大野さんが80歳になった時、自宅の脇に山小屋を建てた。西川材を使った。大工さん顔負けの小屋だ。友人がひっきりなしにやってきて、酒盛りをしている。そして90歳になって、今度は木造のサウナを造ると言って、設計に入った。知力、体力、創力、満点の大野さんはさしずめ、ヘミングウェイの「老人と海」を超えてしまって、老いを忘れた山男だ。「コロナよ、来い!」とこの若き老人は胸を叩いている。
鹿島修太
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