トップページ ≫ 社会 ≫ ベランダに出よう!「植物男子」のすすめ
社会
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新型コロナウイルスのせいで外出機会が激減、家で過ごす時間が多くなり、生活パターンが一変した。マンション暮らしということもあり、ペットを飼うのをためらっていたから、興味の矛先は植物に向かった。遠因は数年前に見た深夜のNHK BS『植物男子ベランダー』にある。原作者いとうせいこう氏とは直接の面識はなかったが、同じ出版社に勤めていた縁から、「見てみよう」となったのだ。マンション住まいの中年男の植物栽培をコミカルに描いていて、こちらも知らず知らず感化されていった。以来、ベランダに少しずつ鉢植えを置くようになった。
部屋が西向きなので夏の西日を遮るために亜熱帯植物の月桃(アルピニア)を並べたら、どんどん生長したが、根の張り方はそれ以上で陶器の大鉢2個が真っ二つに割れてしまった。甘い香りの葉と南国的な白い花は気に入ったが、ショウガ科なのに根は食用ではなかった。
そこで今年は食べられる野菜にシフトした。やはり熱帯性のゴーヤ(ニガウリ)の種をまいたら、ほとんどが発芽したので15本ほどの苗を数個の鉢に移植し、一列に並べた。ベランダのフェンスにネットを張り、そこにゴーヤのツルをはわせれば、夏の日よけになるはずだ。早くも実がなったが、小さくてもちゃんとイボイボがあるのがかわいい。
いとうせいこう氏は「何科の植物であれ、ツルさえあれば好きだ」として、「数時間のうちにすくすく伸び、手近な物へと近づいていっては素早く巻きつく。視覚があるのではないかと疑うほどである」(河出文庫『自己流園芸ベランダ派』)と舌を巻いている。こちらの都合に合わせてツルをはわせようとしても、翌朝に見たら、まったく違う方向に伸びていたりする。まるでヘソ曲がりのペットのようだ。
ゴーヤの列の中に、やはりツルもののキュウリの苗を加えた。これも生長が早く、気が付かないうちに下の方に10センチ以上の実をつけていた。恨めしいコロナだが、ベランダーの道にいざなわれたのは嬉しい誤算だ。
山田 洋
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