トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ なぜ知的リーダーが育たないか
外交評論家 加瀬英明 論集
コンセンサスを至上とする社会は、知的な刺激を受けても、なかなか取り入れようとしない。知的な自由が、きわめて制約されてしまう。そこで急速に転換することができない。コンセンサスを壊すのも、つくるのと同じほど時間と労力がかかるのだ。したがって、コンセンサス社会は官僚社会と似ることになる。新しい考えかたや、試みに対しては強く抵抗する。いつも過去にとらわれているのだ。その結果、硬直してしまう。
コンセンサスを変えることが難しいのに、現実のほうは変わってゆくので、そのうちにコンセンサスと現実との間にギャップが生まれてくるようになる。現実に柔軟に適応してゆくことがなかなかできないために、ギャップは大きくなってゆく。ところが官僚的になってしまった社会は内側から自分の力では変わることができない。そこで周期的に手酷いショックや、外圧に見舞われることになる。ショックや、外圧は官僚的社会にとって避けがたいものなのだ。日本の戦後史はそのまま、ショックと外圧の歴史であるといってもよいが、過剰なコンセンサス社会となってきたことを示している。
結局、「私」がないところには、知的な自由がない。そして知的なリーダーが育つことがないのである。
個性の時代 ミーイズムのすすめ 一章「ミーイズム」のすすめ
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