トップページ ≫ 社会 ≫ 子ども食堂に人の善意が集まった!
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
新型コロナウイルス禍で失業や貧困の問題が深刻化している。その対応策として、国がすべての国民に一定の現金(月7万円とか)を給付するベーシックインカム(BI)が世界的に注目されているが、財源等の問題があり、日本で実施される可能性は低いだろう。菅義偉首相のブレーンの1人、大手人材派遣会社会長でもある竹中平蔵・東洋大学教授はBI導入論者だが、テレビ番組で、「生活保護や年金の廃止によって財源確保」と発言したところ、「BIを口実にした福祉削減だ」との反論が噴出した。
一方で困窮者支援の活動も動き出している。これからの社会を担う子どもたちへの支援をする子ども食堂の存在も再認識されている。
一昔前のようにボロボロの服を着ているわけではないので、子どもの貧困は見えにくい。2011年に政府が初めて「子どもの貧困率は15.7%」と公表した。2014年には16.3%に悪化、何と6人に1人が貧困状態にあるとされ、子どもたちに無料もしくは低額で食事を提供する子ども食堂が注目されたのだ。子どもの貧困率とは相対的貧困世帯(世帯所得が国の中央値の半分に満たない)で暮らす18歳未満者の割合だ。
子ども食堂は都市部から始まったという。地方に比べてシングルマザー率が高いうえ、子どもたちの経済格差も大きいからだ。ひとり親世帯の貧困率はほぼ5割だ。このような家庭では、朝食を抜いたり、夕食もインスタント食品やコンビニ弁当ですましたりするので、摂取カロリーや栄養バランスが問題になる。
埼玉県では子ども食堂やフードパントリー(ひとり親世帯や生活困窮者などに食品を無料で配布するための拠点)が活発化している。私の周りでも最近、さいたま市中央区で子ども食堂を始めたグループがある。主催者は飲食店と子ども教室を開いていた女性だが、「子ども食堂ではうれしい発見が多かった」と言う。ボランティアで手伝ってくれる人が続々集まったばかりでなく、米、野菜、川魚などの食材を提供する人が何人も出てきたそうだ。県内上部団体に協力を申し出る地元企業も増えている。
作家で市民活動家の雨宮処凛(かりん)さんは、今、困窮者支援団体に多くの寄付が集まっていることに「世の中、捨てたもんじゃないのかもしれない」と感動していた。私も久し振りに癒やされた思いだ。
山田 洋
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