なでしこ便
女性ならでは眼コミ、口コミ、スパイシー語録
軽井沢の緑あふれる避暑地で、伸び伸びとした夏休みを満喫していたことがある。叔母のツテがあってこその贅沢な時間と空間であった。風そよぐ午後のこと。中華料理と一緒に初めて口にした飲み物、それはジャスミン茶であった。もっとよそゆきのお茶かと思いきや、意外なほどの親しみやすさに、ときめきを覚えた。独自性のある清涼感も魅力的で、私はすっかりこのお茶の虜になっていた。
今年の猛暑の最中、夏風邪をひいた時に、ふとジャスミン茶が飲みたくなった。心のどこかで避暑地の風を求めていたからだろう 。数杯飲んでみたところ、自然に喉の痛みが和らいでゆくのを実感した。後で知ったが、風邪の予防や治療にも良いらしい。今年は、そのたとえがたい魅力に助けられたこともあり、より一層身近なお茶を再確認することが出来た。
ジャスミン茶を教えてくれた叔母を漢字一文字で表すと「華」。ジャスミンのような女性。叔母の明るく朗らかな声は、逢えなくなった今でも、まるですぐ隣にいるように健在だ。叔母にお礼を言いたくて、そっと手を合わせていた時、夏の風と秋の風とが、鮮やかに入れ替わる瞬間を肌で感じた。それは、ちょうど彼岸花が咲き始めた日であった。叔母への献茶は、どうしてもジャスミン茶しか考えられず、飲みながら綴っている。豊かな薫りの真ん中には、華やかな叔母の声が息づいている。
葉桜こい
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