トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第4章 高校入試のタブー(60)
教育クリエイター 秋田洋和論集
私が憧れていた高校に、子どもにはぜひ進学してほしいと思う
子どもが小さい頃であれば、「将来プロ野球選手になってほしい」などと親が自分の夢を子どもに重ね合わせるのは、珍しいことではありません。
しかし子どもが成長し、本人の性格や得手・不得手などが見えてくるようになれば、親も徐々に「本人の可能性」を真剣に考え始め、自分の希望を押し付けることは少なくなってくるものです。また子どもの側も、自分の興味や関心を優先するようになるため、必ずしも親の意向に沿う行動を取るとは限りません。
そんななかでどうしても親が鑑賞してしまいがちなのが、
子どもの受験校選び
です。中学校生活もまだ半ばだというのに「進学してほしい高校がある」という親はけっこう多いものです。そして、その理由のなかに「私が憧れていたから」といった、親自身の夢を子どもに託すケースがよく見られます。
中学生になると、経済的なことも含めて「家庭の事情」は親から言われなくてもよくわかってくるようです。受験校選びについても、自分の希望が通ることと通らないことの見極めは、親の想像以上にしっかりできているものです。生活習慣のことをうるさく言われると無条件で反発する子どもたちも、受験校選びの面談では、妙に真剣で神妙な、親にはけっして見せない表情で、家族のことを気遣いながら話してくれるのです。
だから我々大人も、真剣に応えてやりましょう。
無自覚な押し付けをやめ、子ども扱いせずに一人の人間として接する
ことで、受験を「自立への一過程」に昇華させてあげるのです。
親と子どもは別の人間、抱く夢や目標はまったく違う。
これを気に留めておくだけで「お願いだから私の夢を叶えて」とは言えなくなるものです。
親と子どもが別人格であることを再認識する儀式、それが受験なのです。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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