トップページ ≫ 社会 ≫ 有力各社が競り合う埼玉の食品スーパー
社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
コロナ禍による外出制限もあり、家での飲食を余儀なくされ、近くのスーパーへの買い出しが多くなった。多くの企業が深いダメージを受けている中で、逆に業績が良くなっている業種の1つが食品スーパーだ。とはいえ、この業界も激しい競争があり、個々の企業で事情は異なるようだ。
我が住まいのあるさいたま市中央区では、地元企業の与野フードサービスがかつては有力だったが、他店の進出もあって近年は赤字を計上することが多くなった。その落ち目のスーパーが昨年後半から目に見えて変わり始めた。買い物をした客には日にち指定の割引券を渡したり、最近では電子マネー機能付きポイントカードの採用をアピールしている。
変化の理由は昨年9月に、東京多摩地区から北関東に地盤を広げているエコスの子会社になったことだろう。同社は与野フードセンターの15店を加えてスーパーが74店舗になった。さいたま市を商圏に取り込むメリットを認識しての子会社化だろう。
さいたま市発祥の食品スーパーには浦和で終戦直後に開業したマルエツがある。当初は魚悦商店の屋号で、北浦和界隈では魚が安い店として知られていた。1974年にマルエツに商号変更、1991年には大手スーパーのダイエーによる株式公開買付けで傘下入り。その後ダイエーの経営難もあり、丸紅やイオンとの提携がなされたものの、自主経営による独立路線は維持した。2014年に同社とカスミ、マックスバリュー関東の3社が持株会社ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングスを設立し、その傘下に入る形の経営統合をはたした。
本部がさいたま市北区(本店は東松山市)のマミーマートは業績好調が目立つ。76店のうち埼玉県内が51店で、ショッピングセンターへの出店が多い。発展めざましいさいたま新都心ではビバモールさいたま新都心の3階に開店した。ビール、日本酒、ワインなどの種類が豊富で、駐車場は通常2時間まで無料なのがうれしい。
八百屋でスタートし、今や食品スーパーの雄になったヤオコーは比企郡小川町で創業し、今は川越市に本社がある。現・会長の川野幸夫氏が東京大学法学部を卒業した3年後の1969年に有限会社八百幸商店に入ったのは、実質的な創業者だった母親の影響が大きかったようだ。スーパーマーケットに転換させたのも彼女で「小川のおしん」と言われた。
川野氏もこれまで難関に直面した際には、「母ならどうしたか」と考えたという。著書『日本一強いスーパー ヤオコーを創るために母がくれた50の言葉』(2011年 産経新聞出版)は母が商人道について語ったエッセンスを集めたものだ。慈善事業や文化事業にも熱心な川野会長は2009年に「第7回渋沢栄一賞」を受賞している。
山田 洋
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 秋刀魚苦いかしょっぱいか(2024年11月08日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR