文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
最近身近なもので老化を感じさせる者がいます
飼い犬のモコです
かつては寝ていても足音で起き上がったのに
後ろから近づいても気が付かないのです
本年満十三歳 人間なら中三ですが犬では高齢者です
「間もなく期限切れかな」と呟くと
不思議そうに見上げます
「あのネ」犬語で話しました
異国に滞在するには滞在許可(ビザ)が必要なこと
生き物にはみなこの世の滞在期間があること
トカゲや亀のように百年以上生きるものもいて
ネズミや雀のように一、二年~四、五年もいる
ウスバカゲロウなんか二、三日の寿命なんだ と説明しました
「ふう~ん。明日は今日の続きじゃ無いんだ ところで飼い主さんは?」
「実は既にオーバーステイなんだ 次は何処の星がいいか調べてるところなんだよ」
「いいなあ。犬のままでいいから連れて行ってよ」
聖書には動物の行き先はありません
三百年前のポープという人の「みよ。あの あわれなインディアン!」
で始まる詩があります
老酋長はインディアンの天国に生前の飼い犬と暮らしています
そんな世界がそんな世界があると思いますか
私はあるような気がしています
山上村人
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