トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第5章 将来のタブー(72)
教育クリエイター 秋田洋和論集
夢をもつなら現実をわきまえたものにしてほしいと思う
自分の子どもたちの日常を見ていても思うことですが、
今の中高生は夢や目標をもちにくい毎日を送っている
のではないでしょうか。朝早く起きて部活動の練習にでかけ、日中は勉強と部活動に励み、暗くなってから帰宅。食事をとったと思ったら塾へ行き、帰宅後学校の宿題をこなしたら眠くなり・・・。お子さんも、こんなふうに「常に時間に追われた生活をしていて、気持ちに余裕がない中学生」になってはいないでしょうか。
こんなに忙しい毎日では、大人だって日々の生活をこなすことが精一杯になりがちです。そんな状況のなかで、一週間・一カ月後のことであればまだしも、「十年、二十年後に、自分がどうなっていたいのか思い描きなさい」と言われても、ちょっとイメージがわかないと思います。
ところが、なかには「自分の夢」をもって、頑張ろうとしている中高生がいます。中身は大人から見れば一笑に付すようなことかもしれませんし、無謀で実現性が低いように見えるかもしれません。しかしたとえ破天荒な夢であったとしても、忙しい現実生活のなかで忘れそうになる「自分の夢」をもちつづける中高生のことを、私は素晴らしいと思っています。
「もうすぐ高校生なんだから、もう少し現実をわきまえなさい」と否定してしまうのは避けてください。
中高生には無限の可能性があります。今後出会う人に影響を受けることもあるでしょうし、そこからつなげてチャンスをつかみとるかもしれません。
夢を追い続けるのもあきらめるのも本人が決めればいい、大人はフォロー役。
それでいいじゃないですか。無理してあきらめさせる必要はありません。自分の限界を自分で知れば方向転換することもありますから、親は黙って見守りましょう。
子どもはいずれ自立していくものです。せっかくなら高く、遠くへジャンプできるような環境を整えてやりたいものです。ジャンプの幅を大人が決めてしまっては、それは「自立」ではありません。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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