社会
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安くて美味しく、ボリューム満点、一見いい事尽くしに見える日本の外食産業の価格について、昨今よくやり玉にあげられている。以前はあまり見かけなかった内容だ。
商品価格は当然だが、賃料、光熱費、原材料費、人件費、販促費等々、様々なコスト見合いで算出される。日本は、諸外国と比べて決してコスト調達が安価な国ではない。では何故相対的に価格が低く抑えられているのかといえば、とどのつまり人件費が安いのがその理由となる。一方この手の話に対しては、勤め人の給料の上がらない中で、安い外食費は庶民の強い味方であり、それが諸悪の根源だとするのはお門違いという反論もまた根強い。
3か月程前、コーヒー価格に関する記事を書いたが、それにとどまらず原料費、物流費の高騰を受けて、電気、ガスやガソリン、また小麦粉など多くのものが値上がりをしている。メーカーなど製造業については様々な形で価格改正に動いているが、特に外食サービス業については消費者の都度の購入判断がダイレクトに売上に反映する為、価格への転嫁は未だ進んでいないように見える。
しかしである。当たり前の話だが外食の安さを有難く思う消費者も、一方では大半は労働者、もしくはその家族であろう。特に所得の二極化が進む今、給料が上がらない社会というのは、構造的問題大いにありと断じざるを得ない。
岸田内閣は発足当初から令和版所得倍増計画を一丁目一番地の政策に掲げた。まず最低賃金の引き上げは、必要不可欠と考える。これからを見据えると、物・サービスへの対価は相応に受け入れなければ、バランスの取れた社会は成り立たない。課題は山積だが、より健全な社会形成を目指して多くの知恵を絞っていく必要がある。
小松隆
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