トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第5章 将来のタブー(78)
教育クリエイター 秋田洋和論集
将来はとにかく〝安定した企業〟に就職しなさい、と言っている
親は、子どもがどこまで成長したら「これで子育ては一段落」と安心できるものでしょうか。いくつかの段落はあるかもしれませんが、子どもが自分の職を得て、経済的に自立できたら、「これで肩の荷が下りた」と思えるかたは多いでしょう。
そして先が見えない時代、親、とくにお母さんは、わが子にはできるだけ〝安定した企業〟に就職してほしいと望むものかもしれません。
しかし、〝安定した企業〟というのは、今現在、あるいは過去から現在にかけて業績がよく安定しているという意味であり、これから先、十年後、二十年後も安定しているという保証はありません。
歴史を振り返ってみても、バブル期に絶好調だった会社が二〇〇八年のリーマンショックで急激に業績が厳しくなったり、一時ブームとなったIT関連企業も、時代が進むと淘汰されているのが現状です。絶対的に安定していると思われた有名企業でも、業績不振にあえいでいるというニュースが報じられています。
ですから、仮に親世代が望むような〝安定した企業〟に子どもが就職したとしても、確かに「これで子育ては一段落」かもしれませんが、それが子どもにとって幸せかどうかはわからないのです。わが子の歩んでいく道について、親が勝手に想像するのはかまいませんが、その想いを本人に伝えたり、ましてやコントロールしようとするのはやめたいものです。子どもと将来について話しているときに、
「こういう業界に進んだほうがいいんじゃないの」
「もっと現実的な仕事じゃないとダメよ」
などと言うのは、子どもに言わせれば〝大きなお世話〟でしかありません。
職業選択は本人の一生を左右するものです。
子ども自身が自分の適性を考えたうえで自分自身が選ぶもの
であり、親が自分の安心のために子どもに強いるものではありません。
子どもはいつまでも自分の思い通りにいかない。
それを肝に銘じ、高校生になったら、「見ていて不安でも、気になっても、口を出したくても」黙って見守るということから始めてみてください。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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