トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第5章 将来のタブー(80)
教育クリエイター 秋田洋和論集
これからの時代に必要な英語力がうちの子にはない、と焦っている
これからの世のなかについて語るときに「英語力」を無視することはできません。中学生にとっては英語を勉強するモチベーションにもかかわってきます。企業が「世界中で活躍できる人材」を求めていることもあって、その注目度は高まるばかりです。
「語学力」の基準として、TOEIC(満点は九九〇点)を取り上げる企業が増えています。新卒の応募条件にTOEIC七三〇点以上を掲げたある企業は、取締役会が英語で開かれるほどだそうです。
別の企業では、TOEIC八六〇点以上の英語力と専門性を持つ新入社員を高額優遇する給与体系を取り入れ、話題となりました。今後は「採用の際に語学力についてTOEICの得点を目安にする」といった、「英語力がなければ門前払い」という方針を打ち出す企業も増加することが予想されます。
だからといって「とにかく英語力だけを磨けばいいのか」と聞かれれば、「ノー」と答えるしかありません。
語学力はあって当たり前、アドバンテージにはならない
という考えが、採用する側では一般的なのです。いちばん大切なのは、
英語で何を話すか、話せるか
なのです。
中学生にあてはめてみると、英語の勉強もさることながら、
自分の考えを書いたり話したりして表現する習慣
が大切になります。日本語で表現できないことが英語でできるはずはありませんから、国語は軽視できません。異なる文化や習慣で育ってきた人たちとの付き合いでは、相手を理解しながらわかりやすく自分の考えを説明しなければなりません。これは実は数学の証明問題につながります。もちろん理科や社会の専門知識の必要性は言うまでもありません。
このように、中学時代の勉強は英語に限らずすべてが将来につながっているのです。英語だけできても不充分だということを、家庭では話題にしてください。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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