社会
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石原慎太郎氏が亡くなった。まさに巨星墜つとは氏の逝去のことだと思う。作家として、政治家として、氏は眩しいほどの光彩を放っていた。私には特別の感慨と思い出がある。私が34歳で市長選に立った時、慎太郎氏の人気は絶頂の時だった。芥川賞作家、参議院選挙全国区でトップ当選。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。そんな彼を私の相手方は飯能に呼んだ。慎太郎がやって来た。小さな飯能の街は交通マヒ、黒だかりの人また人だった。当時私は氏の小説を読み漁っていた。特にドーバー海峡を命がけで渡って、石油採りに出かけた男たちの物語を描いた「挑戦」は私の五感に音を立てて響きわたった。そして今日までの私の行動には、この小説が消えることなく生き続けた。そんな私を慎太郎氏はやっつけにわざわざやってきた。「大川なぞという若造に政治なんかできるわけがない!」万雷の拍手が鳴り渡った。「俺も大物だな。慎太郎までやってくるとは・・・」と私は独り自分を慰めた。
その慎太郎氏が逝ってしまった。今は氏への鎮魂歌を書くしかなくなった。死は恨みも憎しみも越えた人生の清算だ。今は亡き巨星に謹んで哀悼の意を示したい。合掌。
鹿島修太
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