トップページ ≫ 教育クリエイター 秋田洋和論集 ≫ 高校に入る前に親がしてはいけない82のこと 第5章 将来のタブー(82)
教育クリエイター 秋田洋和論集
親の仕事の話なんて、家族で話題にしたことがない
最近の中学生には、「親の仕事内容を知らない」子が増えているといいます。
「会社員」だったり「〇〇会社に勤めています」といったことは言えるけれど、職場がどこにあるのか、具体的にどんな仕事をしているのかについては答えられないというのです。
子どもにとって、親はいちばん身近にいる社会人です。キャリア教育大切になってきた時代、親の仕事について何も聞いていないというのは、ちょっともったいない話だと思います。
「親の仕事」には、どんな子どもも興味をもっているものです。ただ、普段の会話がなかったり、すれ違いの生活を送っていたりと、話を聞く機会がないだけです。
・親がどんな仕事をしているのか、どのような役割を担っているのか
・必要とされる能力は何なのか、だから中学生のうちに何を鍛えておけばいいのか
いきなり子どもとこんな話をするのが難しければ、夫婦で演出して、夫婦の会話として子どもに聞かせるだけでも充分効果があります。子どもたちは、今自分が頑張っている勉強やスポーツが、将来どのように役に立つのかをイメージできません。だからこそ、今と将来がつながっていることを示してやる必要があるのです。
さらに言えば、親自身が中学生当時を振り返る機会も大切です。
「今思えば、自分には〇〇が足りなかったから苦労した」
などという話をすれば、
お母さん・お父さんだって、この歳になっても自分に必要なこと・自分に足りないことを自問自答しているんだよ
という姿勢が伝わるはずです。そんな会話を通して、
・仕事で本当に厳しい部分は何なのか
・どんなふうにそれを乗り越えていくのか
・そこから得られるやりがい、真の楽しさとはどんなものか
を、子どもに伝えてください。それだけでかまいません。それが、子どもたちが抱く「働くこととは何か」という疑問に答えることになるのです。
「高校に入る前に親がしてはいけない82のこと」(PHP文庫)秋田洋和より
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