社会
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前評判が高いからといって必ずしも名勝負になるとは限らない。そんな杞憂をはるかに超えた先日の村田VSゴロフキンは大向こうを唸らせる名勝負となった。
ボクシングのスーパースターは、厳密ではないが2つのタイプに分ける事が出来そうだ。アマチュア時代から名をとどろかせ、デビューした階級でチャンピオンとなると、統一戦、また複数階級の制覇に重きを置くタイプ。一方、地道に試合を重ね、チャンピオン獲得後は防衛回数を積み重ね徐々に世間にその実力が評価され、認められていくタイプ。
近年は特にビッグマッチ志向が顕著な中、ゴロフキン選手は後者の代表として相応しいキャリアを積み重ねてきた稀代のミドル級チャンピオンであり、また礼儀正しき紳士だ。大口を叩かず、全てはリングでという姿勢は、我々日本人好みのタイプでもある。また村田選手もオリンピック金メダリストという看板を引っさげて、27歳の遅咲きでプロデビュー。外国人選手層がぶ厚く、日本人には伍していくのが厳しいとされるこのミドル級で、返り咲きも含めて2度のタイトルを獲得。決してテクニシャンではないが、体格、体幹の強さ、パンチ力など一級品であり、またそれ以上にプロデビュー前からのあこがれでもあったゴロフキン戦にかけてきたその並々ならぬ覚悟が、この一戦を人々の記憶に強く刻み込む最大の原動力となったといえよう。これ以降、ボクシングへの注目度合いが明らかに上がっているのを感じる。
キングオブ格闘技、世界中の男たちからから尊敬とあこがれをもって迎えられ、また世代を超えて語り継がれる存在、改めてそう感じる事の出来たまさに凝縮の26分11秒であった。
小松隆
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