トップページ ≫ 社会 ≫ 我が町にも月光仮面やタイガーマスクがいる
社会
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コロナ禍に物価高が加わり、庶民の暮らしは苦しくなるばかりで、そのシワ寄せは子どもたちにも及んでいる。家族の所得が国の中央値の半分に満たない相対的貧困世帯で暮らす18歳未満者を助けようという「子ども食堂」の活動が注目を集めている。子どもがひとりでも行ける無料もしくは低額の食堂で、今や全国に6000か所できたという。民間発の自主的、自発的な取り組みで、運営はボランティアの人々によって支えられている反面、公的な制度などはまだ整備されていない。
さいたま市には34か所あるそうだが、我が地元の中央区で2年前に始めた子ども食堂をのぞいてみた。一戸建ての家を借りて飲食店と各種教室を開いていた女性店主は、コロナ禍で売り上げが激減した時、「店を閉めるくらいなら、前からやりたかった子ども食堂を始めよう」と思ったという。そのことを店のお客に話すと、「手伝う」という人や「自家製野菜を提供しよう」という人が続々出てきた。地元企業も数社が協力を申し出てくれた。
でも、「困っている子どもたち、いらっしゃい」と呼びかけても、みんなプライドがあるから来ないそうだ。「子ども食堂は誰が来てもいいんです。その中に困っている親子がいれば、自然と支援できるんです」とのことだ。
コロナを配慮して店内での飲食を避け、事前に申し込んだ人に、毎月第1・第3日曜日に弁当を配布している。子どもは無料で大人は500円。当初は30食を用意したが、130食になったこともあった。ただ、最近になって、子どもの分だけ予約して、有料の大人の分は頼まない家庭が増えていて、店主は「それだけ困窮家庭が増えているのを実感します」と言う。
大人の弁当代の減少分を補うために「サポーター会員」制度を始めた。年会費1万円の会員がすでに60人集まった。会員にならなくても、時々現れては1万円、時には10万円を置いていく人がいる。名前も告げずに。私は懐かしい歌を思い出した。
♪どこの誰かは 知らないけれど…………はやて(疾風)のように
現れて はやてのように 去ってゆく
そう「月光仮面は誰でしょう」(川内康範・作詞 小川寛興・作曲) だ。苦しむ親子たちを助けようという人々の輪にこの世の光明を見る思いだ。
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