トップページ ≫ 外交評論家 加瀬英明 論集 ≫ 高等教育は女性の精神内容と関係ない
外交評論家 加瀬英明 論集
このごろの女性が家庭を大切にしなくなったのは、困ったことである。
ひところ中山千夏さん、犬養智子さん、森村桂さん、バーバラ寺岡さんといった人達の離婚が話題になっていた。もちろん私は個人的に存じ上げないのでどのような事情があって離婚したのかはわからないが、よかく才女として名の高い人たちである。
どうも才女は、結婚には向いていないのではないか。私はある新聞のコラムに、一部の婦人たちの「教育水準が低い」と書いてしまったところ、相当数の読者からお叱りを頂戴したことがあった。高等教育を受けられないような境遇を強いたのがいけない、というのだった。これが特定のグループに属する婦人たちだったので、かなりの騒ぎとなってしまった。
抗議を受けたのが新聞社であったので、私は文化部の担当者にかなりの迷惑をかけてしまった。そんな時に、私は女友達の一人に、どうも女性は面倒だと、愚痴をこぼした。すると彼女は、私が「もともとすべての女性を蔑視しているから、抗議している人々はお門違いじゃないのかしら」といった。
私はけっして悪意をもって書いたつもりも、女性を蔑視しているつもりでもない。もっとも、女は女性的であるべきだし、大学に行くよりは、何よりもまずよい家庭婦人となることを目指すべきだと思っている。
こんなことをいうと、私が反動分子であるように誤解されるかもしれない。しかし、これは真剣な話だ。私の婦人観からいえば、女性を教育水準ではかるのは誤っていると思う。えてして高い教育を受けていない女性のほうが、よい女性であり、今日、多くの女性が大学に憧れているのは、一見、無邪気な女子大生を大量につくるだけのことであるかのように、みえるかもしれないが、そうではない。
誰でも知っているように、人間は男性と女性とに分かれている。はじめから男性的なものと、女性的なものが存在しているのだ。
さて、スイスの深層心理学者であるカール・グスタフ・ユングによれば、人間は男女の別を問わず、女性像の原型であるアニマと、男性像の原型であるアニムスをそれぞれ持っている。アニマとアニムスというのは、ユングが考えだした理念であるが、学問と取り組んで、一心不乱に勉強しようとする女性は、強いアニムスを備えている。アニマよりもアニムスが優っているのだが、このような女性はおうおうにして心のなかでアニムスが暴走していることになる。
たしかに、高等教育を受けた女性のなかにも、女性らしい魅力のある、素晴らしい人たちがいる。私は何人かすぐにあげることができるが、残念なことにこういった人々は、ごく僅かなのだ。ほとんどの場合は、才女になろう、あるいは娘を才女に育てたいと思うと、女性らしさを失ってしまうことになっている。
高等教育は、女性の精神内容とは関係がないものになっている。とくに有名校に入るための受験勉強や大学における学問は、スポーツのようなものであるから、彼女のほんとうの教養とは関係がないのだ。スポーツのようなものであるというのは、スポーツはスポーツのために行われるもので、何も他の役には立たないからである。
個性の時代 ミーイズムのすすめ 8章「母親」としての女性
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