社会
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8月15日は、77回目の終戦記念日であった。甲子園では、全国高校野球選手権大会の3回戦が行われている最中だった。正午にはサイレンが響き渡り、選手たちも脱帽をし、恒例の1分間の黙とうが捧げられた。スコアボードの上に掲げられた幾つもの旗が浜風に揺れ、一人一人の祈りを包み込んでゆく。そこには、夏の甲子園ならではの独特の空気が流れていた。
終戦記念日の前日は、聖望学園(埼玉)と大阪桐蔭(大阪)との注目の一戦があった。大阪桐蔭の伸びやかさは、桐の健やかな成長そのものであり、その手強さは、木登り自慢のサルも足をすべらせるといわれる、サルスベリのようであった。とは言え、どんなに滑りやすいサルスベリの木でも、そこに縄をかけ足場を確保すれば、一歩ずつ登れそうだ。聖望学園にも、地道に得点を重ねるチャンスはある。そう願いながら、最後まで希望を捨てずに応援をした。しかし遂に、大阪桐蔭という怪木に、聖望学園からの縄がかけられることはなかった。その後、圧倒的な強さを示していた大阪桐蔭までもが、甲子園から姿を消してしまった。
夏の盛りに凛と咲いていたサルスベリの花は、9月に入った今も咲き続けている。漢字では百日紅と書くように、開花時期が夏から秋までと長いだけのことはある。
サルスベリが風で揺れる度、甲子園を走る選手たちの足音、スタンドからの声援、快打音、それらが何度でもありありと湧き上がってくる。冷めやらぬ夏を胸に抱きながら秋を往こう。
葉桜こい
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