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今年の日本のプロ野球で最大の話題の主はセ・リーグ3冠王になったヤクルトの村上宗隆内野手で、特に56本という本塁打数は画期的だった。米国大リーグでもヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手がアメリカンリーグの新記録となる62本塁打を放ち、打点131と合わせて2冠に輝いた。
ジャッジによって破られた従来の記録61本は、やはりヤンキースの外野手だったロジャー・マリスが1961年に打ち立てたものだが、この時の米国球界の反応は冷たいものだった。マリスの前の本塁打記録60本はあのベーブ・ルースが持っていたからで、彼を神格化したがる人が多かったのだ。
大リーグ通でパ・リーグ広報部長を長く務めた伊東一雄氏が1966年8月に書いた新聞コラムによれば、「米国のどのレコードブックでもシーズン最多本塁打数はルースの60本とマリスの61本が併記されている」とのこと。1シーズン試合数が違うからだという。ルースの1927年は154試合、マリスの時は162試合。これには当時のコミッショナーが新聞記者だった頃からルースと親しく、彼の記録を永久不滅にしたかったという裏事情があった。
今シーズンも162試合だったが、ジャッジの記録にケチをつける人はいないようだ。ただ、ナショナルリーグにはボンズ、マグワイア、ソーサと、ジャッジの62本を上回る本数を打った打者が3人いるが、いずれも禁止薬物使用疑惑があり、ジャッジこそ真の本塁打記録保持者とする見方も多い。
対する日本だが、1964年に巨人軍の王貞治が打った55本の大記録を村上が1本上回った(日本記録は2013年、ヤクルトのバレンティンの60本)王は日本でのルース的存在であるから、やはり試合数の差(1964年はセ・リーグ140試合、今年は143試合)にこだわりたい人もいるはずだが、ここは史上最年少22歳の3冠王への賞賛が大きく、野暮なことは言いにくかったのかもしれない。
山田洋
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