文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
一枚の石仏の写真に目が止まった
二体の年号は元文、文化(280年前と220年前)
一体は幻笑童女と読めた
古い寺にはこのような無縁仏がある
荒寺の片隅に寄せられた石があった
そこに暁夢童子と刻まれた石を見たことがある
今も昔も虫よりも短い時を生き消えた命がある
幼くしてこの世を去った者たちの意味は何か
病のために死んだのではなく殺された命さえある
民芸品として微笑んでいるこけしの語源は
間引きされた(子消し)だと言う説もあります
秩父の小鹿野町の地蔵寺は水子の霊を弔う霊地です
昭和四六年より半世紀の現在一万五千体を超えています
五月には何本も鯉幟が舞い
春の彼岸には庫裡で盛大な雛祭りが開かれる
幼い魂は永遠にこどもの国に生きているのです
この世には偉大なる業績により石碑に名を遺す者がいる
のぞみ半ばにして惜しまれながら舞台を去ったものがこの世残したのは
小さな棺 母の慟哭 近親者の悲しみ
見えるものは見えないものでできています
この世があるのはこの人達がいたからです
私はこの貴重な日々を感謝し生きたいと思います
山上村人
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