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川越市制施行100周年記念事業・都市景観シンポジウムは5日(土)川越ウエスタで開催された。このシンポジウムは今年で30回目。テーマは「歴史的景観を生かす~まもる・みつける・そだてる」。国際観光歴史都市・川越の次なる100年に向けて新たなまちづくりのストーリーを考察するシンポジウムとなった。
川越の蔵造りの町並み周辺には歴史的建造物が点在し、その再生、活用、管理は、住む人々の大きな課題となっている。食べ歩きをはじめ、まち歩きする人たちでにぎわう川越蔵造りのまちなみのエリアにはそこで生活している人たちがいる。城下町川越は新しい住民を受け入れにくいともいわれるが、その関係や関わり合い方、段階的で丁寧なプロセスを経ていくと、とてつもない面倒見のよさが川越人でもある。
事例1例目、アートプロデューサーの小島正巳さんは「小島家住宅」の所有者。築120年の店蔵を購入し、再生、利活用。一部はセルフビルド。明治大正を感じることのできる非日常の空間で日本茶をというコンセプト「1904 TEA SALON」を運営されている。「優れた建築物が都市景観の形成を成しえてきた。川越の景観は先人たちと行政がハード面で成功させた。これからは人に視点を。かつて、鎌倉は文人が好んで住んだ。川越の織物市場は文化創造インキュベーション施設として再生される。卵から雛へ。クリエイターを育てていくという面を持つという。芸術クリエイター、画家、漫画家、作家たちが住んでみたい、活動してみたいという景観を作ることが役割ではないか」と小島さん。
事例2例目はNPO法人川越蔵の会事務局長、秋山修志氏。一番街の商店主、近隣住民が立ち上がって「蔵造りの町並みをまもろう」と活動をはじめた「川越蔵の会」。NPO法人にまで進化させた。市民主体の活動が行政をリードしていくというスタイルは全国から注目されている。
事例3例目は地域活性化ファンドの運営を全国展開されている岡嘉紀氏トークセッションは以上の三氏に、ファシリテーターとして東洋大学理工学部建築学科教授の日色真帆氏が加わった。
そのあと、各分野の専門的な実務者が個別相談会に応じた埼玉縣信用金庫「さいしんまちづくりファンド」、埼玉県宅地建物取引業協会、NPO法人川越蔵の会デザイン部会(建築設計士)。
「人が動けば、まちが変わる」先人達のエネルギーを引き継ぎ、行政も市民とともに動く、なおかつ、歴史的建造物を持つ悩む市民に寄り添う。一歩踏み込んだシンポジウムは川越新世紀に向けて、新しい扉を開いたといえるだろう。
伊勢谷珠子
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