社会
特に埼玉県、さいたま市の政治、経済などはじめ社会全般の出来事を迅速かつ分かりやすく提供。
東京オリンピックをめぐる一連の事件。今度はテスト大会をめぐる談合問題で電通本社に捜査が入った。元理事をめぐる起訴は計4回に渡り、捜査は山を越えたとの見方が多かった。ところがその顔役の贈賄事件から今度は談合事件へと舞台は変わり、メガスポーツイベントをめぐる広告業界の差配構造にメスが入る事になった。
一度2016年大会誘致落選の後、国家を挙げた招致活動を経て2020年東京大会の実現に漕ぎ着けた。コロナでの1年開催延期という紆余曲折の後、大会は無事開催。主要な招致関係者らは自らこの大会をレガシーと自画自賛してはばからなかった。その僅か一年後のこの状況、一体誰が想像し得ただろう。
時として国家とは為政者の権勢とは別個に自律するさながら有機体のようなものに思える。司法、立法、行政の三権はそれぞれ違った役割を果たして国家の存立を支えている。そのバランスが何かで崩れた時、自らの屹立を取り戻そうとする運動がどこからともなく出てきたのではないか。今回の一連の流れからそんな想像が頭をよぎったのである。
日本は今、間違いなく過渡期にある。実際、地政学的リスクは高まっており、先日の敵基地攻撃能力まで含めた軍事増強をとの有識者会議提言に対して、世論の反発は以前とは比べて明らかに小さいように思える。一方その国家の在り様を法理論的に支える為の憲法改正論議が活発になってきているかといえば、その雰囲気は全く感じられない。統一教会問題を発端に大臣の事実上の更迭が繰り返されるばかりで、無為に時間が過ぎるばかりである。
喫緊の課題は経済、来春以降、いかに勤労者の賃金上昇を実現した上で、金利の上昇局面に持っていけるのか。これもまた国家が正常な状態を取り戻す為の自律運動といえよう。
小松隆
バックナンバー
新着ニュース
- エルメスの跡地はグッチ(2024年11月20日)
- 第31回さいたま太鼓エキスパート2024(2024年11月03日)
- 突然の閉店に驚きの声 スイートバジル(2024年11月19日)
- すぐに遂落した玉木さんの質(2024年11月14日)
特別企画PR