トップページ ≫ コラム ≫ 埼玉の余話 ≫ 元副知事関口一郎伝 武蔵野の月
コラム …埼玉の余話
先日、「武蔵野の月」というタイトルの伝記が送られてきた。タイトルといい、表紙のデザインといい、詩集か文芸書のような美しい本だった。畑知事や土屋知事の時代、筆頭部長をはじめ、副知事にまで昇りつめた今年88歳になる関口一郎氏の自叙伝だった。自叙伝には、いやな思い出をいくつか持っている私だが、関口さんのは違った。控え目、控え目に己を語り、埼玉の時代を語り、まさに生きた歴史小説のような趣があった。何よりも大の読書家であり、政治、行政通だった関口氏だからこその自叙伝だ。まさに、博覧強記の秀才此処ありの感を強くした。議会対策も実にそつなく、信用が厚かった。土屋知事との別れは仕方なかった。あまり反りがあわなかった。この読書家は、イギリスの歴史書から直木三十五まで極め、筆者も随分お世話になった。表紙の武蔵野の月のデザインは素敵な芸術品だ。司馬遼太郎と池波正太郎を思わせるような見事なものだ。100年前、奇しくもこの二人は出会い、後世に残る歴史文学を記した。まさに関口一郎さんの伝記にピッタリだと感銘を受けた。
鹿島修太
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