広島市の平和教育教材から、漫画『はだしのゲン』の掲載取りやめが決まり、物議を醸している。

戦争と原爆の悲惨さが描かれた漫画『はだしのゲン』は、一般的にいうところのお子様向けではない。しかし主人公ゲンであり作者でもある、故・中沢啓治さんの実体験に裏打ちされた、渾身のメッセージそのものであることは読めばわかる。

『はだしのゲン』が平和教育教材から削除されるのは新年度からなので、広島サミット開催のほんの一月前とも言える。

その広島サミットの準備に忙しい岸田首相は、東京生まれである。にも関わらず、岸田一族が主に広島人であるということは、広く世に知られている。

首相は、数年前の所信表明演説にて自身を「広島出身」とし、その際「核兵器のない世界を目指す」とも発言していた。

実際、岸田一族も被爆しており、首相の原爆への思いは、決して他人事ではないはずである。

Ｇ７広島サミットで首相は、各国首脳に原爆資料館の視察を検討しているとのことだ。

それこそ世界各国で翻訳され、反戦平和漫画の金字塔とまで称されてきた『はだしのゲン』は、岸田首相にとって一体何なのだろうか。

葉桜こい