日本に住む私は知らなかった。海外からの観光客用にＪＲ普通列車、バス、一部船などで利用できるＪＲパスという特別フリーパスがある。海外に比べ物価が安い日本に、海外から観光客が押し寄せている。外人さんに言わせると日本の良いところは、「安い。美味しい。治安が良い。」この三拍子だ。住みたいくらい日本好きの外国人に言わせると、保険の充実と電車やバスが時間通りに来ることがミラクルとも思えるそうだ。ドイツでは時刻表通りに来ることがほとんどないので1時間2時間早めに出発は必須とのことだ。

話がそれたが、ＪＲパスとは、選択したチケットの期間中、乗り放題で、日本中を観光できる有り難いチケットで、有効期間とグリーン車乗車有り無しを選べる。例えばグリーン車なし、14日フリーパスで52,960円。新幹線も、ひかりであればこの料金で14日間乗り放題と言う訳だ。

だがしかし、その日本滞在の目玉チケットが今年10月から約1.5倍に値上がりすると言うのだ。これまで乗車ができなかった東海道・山陽新幹線の「のぞみ」号および山陽・九州新幹線の「みずほ」号に乗車できるようになるが、料金値上げとなる。燃料や物価の社会的事情で値上がりは避けられないのだろうが、残念なのはローカルな駅に降り立つ機会が減ってしまい、都市部を中心とする観光が主流になってしまうことだ。小さな町にも寄ってみようとするのがローカル電車旅の醍醐味だが、のぞみやみずほに乗れるとなると、ローカルはなかなか太刀打ちできない。両方のパスを選べたらいいのにと思う。日本には青春18切符があるが、そのイメージでゆっくり普通電車縛りの旅も良いものだ。

名月かりん