社会
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東京に北大西洋機構(NATO)の連絡事務所が開設される計画にフランスが反対を表明、その理由はNATOの範囲は北大西洋地域と条約で規定されているとのもので、各国のそれぞれの思惑の違いを端的に示す事例として注目を集めている。
もともとフランスは1948年NATO結成時からの加盟国で本部もパリに置かれた中心参加国だったが、1958年のドゴール政権樹立後核に対する米英の優位性に反発し、独自に核実験を進めるなどした結果、冷戦最中の1966年にNATOの軍事同盟から脱退、フランス領土内に設けられていたNATO基地は全て撤廃。ただ理事会、政治委員会などは残された。つまり政治同盟は維持、軍事については情勢に応じて個別判断というスタンスでアメリカ追随だけではないフランスの独自性を内外に示す事となった。
時代は大きく下り、2009年サルコジ政権時代にNATO軍事同盟に復帰、当時はNATOのコソボ紛争などへの軍事作戦に既に参加しており、様々な変遷を経た上での時勢を踏まえた決断だったといえるだろう。
フランスは米英に対して歴史的に自国のスタンスを明確にした独自の姿勢を示す事がある。自国の国益、安全保障の観点から検討すると、アジアの問題に積極的に首を突っ込みたくないのは偽らざる所だろう。またドイツも日本と同じ敗戦国であり、難しい立場だが、今回の戦争でエネルギー調達に大きな問題を抱えており、本音ではフランスとに似通った考え方を持っていたとしても驚くにはあたらない。
今回の件、民主国家の価値観、G7など国際会議でベクトルを一にしてと主張されるが、実際には各国それぞれの思惑は微妙に異なっている事の証左といえよう。
アメリカの国際政治への関わり方も不変とはいえない。前政権時代には世界各国に駐留する米軍の撤退も真剣に俎上に上った事実は、今後の日本外交のあり方を検討する際に、良く記憶しておくべきと考える。
小松隆
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