トップページ ≫ 社会 ≫ マンション管理組合に巣食う人たち・続編
社会
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2年前の11月4日付け当欄に「マンション管理組合に巣食う人たち」と題して、管理組合の主要役員に長く居座っている人たちへの違和感を身近な例をあげて書いた。その中の1つの後日談と新たな事例を紹介したい。
友人が住むさいたま市内の駅前の高層マンションでは組合役員は抽選で決まり、任期は2年。その中から理事長が選出されるが、例外的に長く役員になっている人がいることは前にも記した。自治会長は自動的に管理組合役員になるのだが、その自治会長を長く務めているからだ。おまけにその人は自主防災会の会長にもなっていて、こちらの在任期間も長い。
ところが、今年の管理組合総会の議案書では役員名からその人の名前が消えていた。自治会長の座を降りたからで、自主防災会の会長も交代していた。友人は「決して人望があったわけではなく、同一人物が長く自治会長や組合役員にとどまっていることに批判は多かったはずだ」と見ている。
高校の先輩が住む、やはりさいたま市内の築後50年余の中型マンションでは目下、大規模修繕が相次いでいる。昨年、汚水管の交換工事が突如提案された。その工事が終わったばかりなのに今度は給水管交換工事が持ち上がり、その説明会が開かれることになった。
その会は直前になって延期され、何らかの問題内包を予感させた。延期された会では驚くべきことが報告された。修繕工事の検討委員会の委員長が説明会の直前に辞任することになったという。その人が工事の受注予定業者の幹部になっていたことが発覚したのだ。検討委員会には彼だけ10年以上所属していて委員会を実質的に仕切っていた。
うんざり顔の先輩は「5階建てでエレベーターもなく、もう住居としての寿命が来ている。建て替えたほうがよいのに、次々に修繕工事を計画するなんて変だと思ったよ」と嘆く。彼はマンション売却も検討したそうだが、不動産業者からは敷地の持ち分の相場の半分に満たない数字しか提示されなかったそうだ。古い建物が不動産価格を押し下げているのだ。「管理組合の役員になって建て替えを推進するには年をとり過ぎたしなあ」と先輩は寂しそうだった。
天津健二
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