社会
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岸田首相は先日9月25日に、10月中策定を目指す経済対策の骨子を発表。以下が対策の5本柱となる。
①物価高から生活を守る対策
②持続的賃上げ、所得向上と地方の成長
③成長力強化に資する国内投資促進
④人口減少を乗り越える社会変革の推進
⑤国土強靱(きょうじん)化、防災・減災など安全・安心の確保
物価高対策としてガソリンや電気・都市ガスなど生活インフラの価格抑制策を検討。急速に回復のみえるインバウンドや付加価値を持たせた農林水産品の輸出拡大を地方経済の活性化に繋げる。また国内投資促進、特許などの所得に関する減税制度の創設を検討、今後の我が国の命運を担うと注目されている半導体や蓄電池、バイオ関連分に対して、初期投資だけでなくその後の事業化を見据えて5〜10年の単位で企業の生産コストの負担を軽減する税制を検討するとの事だ。人口減対策となる社会変革ではデジタル技術を活用した自治体業務の効率化を進める。確実に到来する自然災害からの復旧・復興や防災、減災に必要な対策も盛り込んだ。
首相は翌26日の閣議において「活発な設備投資や賃上げ、人への投資による経済の好循環を実現する」と述べた。併せて経済成長の成果である税収増などを国民に適切に還元すべきだとも訴えた。
150円/ドルに迫る円安、またその為替レート以上に弱く感じられてしまう円の価値。またその円安が理由として大きいエネルギーコスト等を除くと決して他国と比較して強くないインフレ率、日銀の低金利政策持続の判断もその点が大きいものと推察される。
安倍第二次政権下で行われた経済対策3本の矢において、中長期に向けて一番大切な成長戦略(成長産業や雇用の創出を目指し、民間投資を促す)については十分な成果を挙げるには至らなかった。
5本柱③の成長力強化の主役はあくまで民間企業、その競争力を高め、下支えする施策の内容については10月の臨時国会での中身の濃い前向きな論戦を期待したい。
小松隆
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