トップページ ≫ 社会 ≫ 不人気! スーパーアリーナの二番煎じ計画
社会
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埼玉県議会の自民党議員団は、子どもだけの留守番などを放置による虐待とする条例案を撤回した。県内ばかりか日本中で批判を浴びていたからだ。これと同様に粗雑な提案がさいたま市でも進められている。
市は中央区の与野中央公園の空き地に収容人数5000人規模のアリーナ施設(仮称・次世代型スポーツ施設)を建設するという案を昨年末に決定し、今年3月に地元説明会を開き、5月に基本計画を公表した。この計画書を読むと、説得力のない内容に驚くばかりだ。
中央区役所に隣接する与野体育館を老朽化で取り壊す予定で、その機能を継承するとしていて、確かに計画では市民が利用するアリーナの建設が入っている。ところが、その競技場面積1200㎡の10倍もの延床面積のメインアリーナが突如、計画に盛り込まれたのだ。
メインアリーナの利用計画として、①Bリーグ等のプロスポーツ興業 ②アイスショー ③プロレス、格闘技興業 ④ショーイベント 以下、ニュースポーツのイベント、企業コンベンションと続くが、どこかで見たような内容だ。そう、やはり中央区にあり、埼玉県所有のスーパーアリーナとそっくりだ。すぐ近くに日本の代表的アリーナがあれば、そこからこぼれたイベントや興業しか回ってこないのは自明の理だ。①にあるBリーグとは、さいたまブロンコスの試合開催を目論んでいるようだ。バスケットボールの人気上昇とはいえ、ブロンコスは現在B3で、集客が見込めるB1への道は遠い。
市の計画書によれば、事業の財政負担額をPFI制度(民間資金導入で、運営は民間企業が行う)なら約52億円としている。さらにスポーツ利用や文化イベントによる貸館収入、広告収入等を踏まえて「現段階の想定では運営ベースで黒字の試算となる」という。
あくまでも想定上の収支計算だということを断っているのは、黒字への確信がないからか。「こんなアリーナを建てるより、市民の憩いの場としての公園に」という声が高まっており、計画の再考を求めたい。
山田洋
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