トップページ ≫ 社会 ≫ 地政学的エネルギー問題 その課題への取組
社会
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1973年10月、今を遡る事50年前。シリア、エジプトによるイスラエルへの攻撃で第4次中東戦争が勃発。当時アラブ産油国は、アメリカなどへの揺さぶりを目的として石油価格の値上げ、供給量の削減を一方的に実施した。その結果引き起こされた第一次石油ショックは世界を震撼せしめ、日本にも大きな影響を及ぼした。
この時のトイレットペーパー、洗剤などのパニック買い、またマクロ経済的な20%越えの物価上昇率は、資源小国日本に現実を突きつけられるシンボリックな出来事として、また今に至るまで根本的には何も変わっていない事実として象徴的に記憶されている。
その後、エネルギー安全保障の施策として中東依存の高い石油から調達先の幅広い液化天然ガス(LNG)へシフト、現在その構成は2021年時点で石油36.3%、石炭25.4%、LNG21.5%、水力3.6%、原子力3.2%、再エネ10%(地熱・風力・太陽光など/未活用エネルギー含む)となっている。石油への依存度は大幅に下がったが、2010年東日本大震災前と比較すると、原子力は-8%、逆に石炭は+2.7%増加。温暖化対策が世界全体で喫緊の課題となる中、二酸化炭素排出量比の高い石炭の利用の増加はエネルギー供給量確保の為の緊急避難、また経済的理由からの選択でしかなく、中期的には他のエネルギーへの移行が必須となる。
他方150円/ドルを超す円安によりエネルギー調達コストは、上昇基調が続き、貴重な国富が海外に移転を続けている。また二つの戦争による世界情勢の不安定化から物価高、不況の複合要因によるスタグフレーションの再来も一部で懸念され始めている。
日本のエネルギー自給率は2020年で僅か11.3%。選挙を経た国民的合意形成が前提となるが、原子力発電の活用現実を踏まえた中期国家戦略として必要になると考える。
小松隆
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