トップページ ≫ 社会 ≫ GDP4位に 刮目して自らを見つめる機会に
社会
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先日、国際通貨基金(IMF)の最新予測として、2023年の日本の名目GDPはドルベースで前年比0・2%減の4兆2308億ドル(約633兆円)、55年振りにドイツ(8・4%増の4兆4298億ドル)に抜かれ、4位に転落するとの報道がされた。
名目GDPは実際の取引価格に基づいて算出するため、その時点での為替や物価状況に大きく左右される。ドル換算での算出となる為、ここの所の円安・ドル高基調による目減りが大きく影響しているのは間違いない所だ。
またドイツの物価上昇率は昨年より6~10%超で推移、一方日本のそれは3%~4%でその違いもこの数値に織り込まれている。この点だけからいえば、そう神経質に受け止め過ぎる必要はないのだろう。
ただこの報道に世情が嘆息まじりに反応したのは、長期に渡る日本経済の低成長を改めて眼前に突きつけられたからではないだろうか。特にコロナ禍からの回復の鈍さが気にかかる。
2019年との比較で、2023年見込、①米国+26%、②中国+23%、③ドイツ+14%の成長が見込まれる中、日本は−17%の予測。このまま無策に時が過ぎれば、26年にインド、30年前後に英国に抜かれる可能性があるという。
人口減少社会に突入してはや15 年。高度でかつ持続的な技術革新による労働生産性の向上、またそれにより生み出される比較優位な競争力を持った知財・サービスの輸出促進が求められている。
資源を持たない我が国にとって新たな貿易立国として再び世界に存在感を示していく事は果たして可能なのか。政官業、国家一丸となって取り組むべき一丁目一番地の課題と考える。
小松隆
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