トップページ ≫ 社会 ≫ 食料自給率 何故高めなければならないのか
社会
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令和元年度時点の食料自給率はカロリーベースで38%、昭和40年には73%だった数値からほぼ半減しているのが現状だ。
他先進国を見ると、カナダ255%、オーストラリア233%、アメリカ131%。これらの国々は広大な国土を利用して小麦、大豆など国内消費のみならず海外に輸出も行っている。また家畜生産についても同様の理由で飼料となるトウモロコシなどの大量に生産出来る為、こちらも輸出に回せるまでの余力を持っている。またヨーロッパにおいてはフランス130%、ドイツ95%となっており、これらの国々については、小麦、肉、乳製品など以前と食文化が変わっておらず、それらの生産については昔から引き継がれており、これらの国々も比較的高い食料自給率を維持している。
一方日本においては戦後、米、野菜、魚などを中心とした食生活からの欧風化したそれへの大きな変化があり、食料自給率の高い米、野菜、魚から、低い肉類、乳製品類、油脂類への需要の劇的なシフトが進んだ。また狭い国土、それに比例する狭い農地、また農業従事者の高齢化、減少が自給率の低下に追い打ちをかけている状況だ。
エネルギー資源、石油や天然ガスなどはもともと100%輸入で賄っており、食料品についても自国で生産に向かない産品については輸入しても差し支えないのではないかとの意見もある。
仮に世界との貿易が途絶した際、生活に欠かせない衣食住で圧倒的にストック出来ないもの。それが食であり、その食に対しては別個の視点を持って取り組むべき課題である事は疑いようがない。
気候変動、2050年には100億人を超えるとのいわれている世界人口。各国の経済発展に伴う肉食へのシフト、カオス化する世界情勢、感染症リスクなど自由貿易体制への過度な信頼に依拠した考えでは、顕在化する様々な課題に対してあまりに脆弱すぎるといえよう。
食料自給率を高める生産者、食料加工事業者、食品販売者、そして消費者全ての関係者が一体となってあるべき姿を求めて結束する必要がある。また生きることを支えている食に対する関心ももっと高めていく必要がありそうだ。
小松隆
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