トップページ ≫ 社会 ≫ アレクセイ・ナワリヌイ氏の獄中死
社会
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アレクセイ・ナワリヌイ氏の獄中死。その直接的な死亡原因については未だ判明していないが、最期の移送先となった想像を絶する北極圏の刑務所環境下での投獄。また過去の収監先から繰り返し行われてきた、精神を蝕むことを目的とした、苛烈な仕打ちの数々をもって、その責任の所在はどこにあるのかは明白だ。
ナワリヌイ氏は改革派野党ヤブロコの党員として、その政治活動を開始。その後、反汚職闘争基金を独自に立ち上げ、プーチン大統領、また政権幹部らの不正蓄財疑惑などをインターネット上で告発。21年1月、治療を受けたドイツから帰国時に空港で当局に拘束、モスクワの裁判所は翌月2月に、過去の経済事件有罪判決の執行猶予手続きに違反したとして、実刑適用を決め、刑務所に収監された。23年8月には、加えて過激派団体を創設した罪などで懲役19年を言い渡されていた。
ナワリヌイ氏についてはその死の直前、ドイツに収監中のロシア連邦保安局(FSB)工作員、他米国人2人含む囚人交換交渉が大詰めを迎えていたとの報道もある。絶対権力者にとって、絶対に看過できないものは、自身の権力に対する政治的な抵抗だ。今回の出来事は、自身の手を直接介さずとも、それを深く得心している取り巻きが、この状況下で取り得る唯一の選択だったのだとしたら、その闇は漆黒のように深い。
長く続いた米国一極による支配、中国の台頭、存在感を増すBRICS(従来のブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国。今回同時にサウジアラビア、イラン、エチオピア、エジプト、UAEが加わり10ヶ国)、東南アジアのネクスト大国インドネシアなど状況は変わりつつあり、その力の相対的低下は避けられず、世界は多極の方向に進むであろうことは歴史的必然ともいえる。
但し潮流がどのように変わろうとも、人類普遍の価値観としての人権の重要性は揺るぎないものとしなければならない。どのような政治体制であろうとも人類の叡智として極めて大切にしなければならない。気骨ある闘士へ、深い敬意を表したい。
小松 隆
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