社会
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個人間の中古品取引額(住宅を除く)が急増している。内閣府の調査によると、2022年に6兆2000億円に達し、2010年からの12年間で2倍近く伸びたという。内訳は中古車が3兆3100億円で全体の5割を超え、衣料・服飾品5100億円、ブランド品3100億円と続く。ただ、中古品の売買は物の所有権移転に過ぎないということで、手数料以外はこの年のGDP(国内総生産)561兆円には算入されていない。
取引急拡大の理由としては販売チャンネルの拡充、特にネット経由の取引が挙げられる。ネットだと、店舗運営や在庫にともなう費用が不要なため、仲介マージンが安い上、売り手・買い手を探しやすいという利点がある。2012年にフリマアプリが登場し、個人間の中古品売買を大幅に簡素化したことが拍車をかけた。インフレによる実質所得の低下も、消費者の中古品見直しを後押しした。
中古品の買い取り業者も急増し、街でも店舗をよく見かけるようになった。大手業者では株式を上場しているところもあり、業績は総じて好調だ。「中古品ビジネスは粗利益率が高い」と言われるのもうなずける。
私も買い取り業者を呼んだことが数回ある。そのたびにやって来た営業マンの対応にうんざりした。こちらが売ろうとした品には目もくれず、もっと値の張るものはないかとばかりに粘りに粘る。
業界の大手でも同様だった。売りたいのは評価の高い染織作家の手になる布地だと伝えていたのに、商品知識はゼロに近く、いちいち会社に電話で問い合わせていた。業界は急成長でも、人材養成が追いつかない実態を見た思いだった。
山田洋
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