文芸広場
俳句・詩・小説・エッセイ等あなたの想いや作品をお寄せください。
一人の叫び声は聞こえるが百人の沈黙は聞こえ無い
「待て」の声は音速で秒速10mで逃げるドロボーを捕らえるが
ドロボーは戻らない
光は百年前の星からも届くが人の声はかなしい
十人の叫びも百人の嘆きも1km先には届かない
ましてや地球の裏側での一万人の悲鳴は聞こえない
耳には聞こえ無いが胸に響く声がある
目は多くの心を語る
自信冷笑無表情の大人の目
子供の悲しみの目
仏の慈愛の目
去って行く人の背中も多くのことを語る
形や色で心を伝えるものもある
道端の小さな花の声で立ち止まり話しかけた
「野草でも何か嬉しいことがあるの?」
「百年前でなく千年後でもなく
今、此処に咲いているのが嬉しいんです」
暗いニュースの中で満開の桜が見たくなり家を出る
見上げると古木はもてるものを全て花に換えていた
生憎の曇天であったが花の空間だけが明るかった
人の世界は集うと誰かが異を唱える 今も昔も
一輪でも桜の花弁は美しい
美しいもの達が集い笑いさざめている声が聞こえた
山上村人
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