トップページ ≫ 社会 ≫ 川越市長選と畑 元埼玉県知事のこと
社会
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先頃の川越市長選で候補者の一人である前副市長は、四党相乗りの他候補を尻目に「こっちは市民党」だと名乗った。市民の間では「市民党とは何党」だと首をひねった人が多かった。
その事で思い出したのだが、その昔 畑 和 元埼玉県知事が「俺は県民党だ」と胸を張り、五回も知事選をやったが一度として大政党である自民党を寄せ付けなかった。
県議会では圧倒的勢力を誇る自民党を野党にまわしたが、豪放にして知性も兼ね備えた畑さんは県民にはものすごい人気があった。
議会で攻められれば攻められるほど県民の目には「いわれなき知事いじめ」に映り、ますます人気があがった。
畑さんは、大政党の支持がなかったので、「県民党」を錦の御旗にして走りぬけたのだと思う。
川越では、政党の支持が得られなかった候補者がこれを逆手にとって、本当に市民による手作りの市長の誕生を訴えたが、柳の下にどじょうはいなかった。今回は、無党派と言う何かを放り込めばすぐ燃え上がる揮発性の高い階層に感動を与えることができなかった。
畑さんの時代は、高度成長期で都会の空は晴天の日でも工場の煙でどんよりとしていたし、河川はすみを流したように汚れ悪臭を放っていたような時で「反公害」は県民の共感を得るのに実に有効であったし、一方で畑さんの人柄が大いに受けたのだと思う。最大の政敵であった大物県議が畑さんの引退した後のことだが、「百年に一度出るか出ないかの名知事だった」と言っていたのがひどく印象的で、今も頭に残っている。
今度の川越市長選で畑さんとその時代を懐かしく思い出したものである。
元埼玉県副知事 関口一郎
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