社会
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今年最後の投稿であるので来年の展望を書くことにする。来年統一地方選挙は決まっているが衆議院選挙は不確定である。任期は2013年8月末だから首相が解散を決断しない限り選挙はない。議席を減らすに決まっている選挙を自ら求めて行う馬鹿はいないが強いられた解散ならあり得る。強いられた解散にも二つあって一つは内閣不信任案の可決。それに必要な過半数は241。305議席ある民主党がまとまれば容易に否決できるが仮に野党はすべて賛成にまわるとして民主党から65名以上の同調者があれば可決できる。与党内の反乱で不信任決議案が可決された比較的最近の事例では大平内閣の時。
ただこの時反大平の福田陣営は議決に欠席しただけで賛成票を投じたわけではない。小沢一派が賛成にまわる可能性はあるだろうか。いわゆる小沢チュードレンは選挙地盤の弱い一年生議員が多い。中でも比例当選組は一過性のブームで当選した泡沫的議員が多い。次の選挙の洗礼を経て議席を確保できる可能性は限りなく低い。というわけで彼らが内閣不信任案に同調するとは考えにくい。それは集団自決を意味するからである。仮に民主党を割って小沢新党ができたとしても事情は同じ(これを書いている27日現在新党の動きはないので小沢新党の可能性は低くなった。そもそも刑事被告人が党首では意気が上がらないことおびただしい)。
予算案は衆議院の優越があるからいいとしても問題は予算関連法案だ(税制改正、国債発行等)。今民主党執行部は衆議院の三分の二(320議席。民主党単独では15足りない)による再議決を狙って盛んに各会派に秋波を送っている。これがうまく行けば解散は遠のく。衆議院で21議席をもつ公明党との連立が有効だが公明党は今の民主党政府には與しないと決したようだ。衆議院で三分の二の再議決の見通しが立たず参議院でも過半数の目処が立たなかった場合、衆議院の解散を条件に野党の賛成を取り付けることも考えられる。この場合心ならずも解散する羽目に至る。
民主党があくまで予算関連法案を通したいと願いしかも解散も避けたければ自民党との大連立という手はある。だが落ち目の民主党に助け舟を出す動機は自民党にないから余程の好条件を出さなければ乗ってこないだろう。例えば首相の座を自民党にわたすとか。少数党の党首が首相になるのは邪道だが法的には可能だし現に過去にもあった。細川護煕、村山富市等。ただ今の民主党幹部にそんな荒業ができそうな人材は見当たらない。それに各小選挙区では去年の選挙で民主党に負けた候補者が捲土重来を期しているので中央で民主党と手を組むことには抵抗感が強い(読売のナベツネさんが大連立のために動いていると今日も報道されている)。
大連立になれば衆参で三分の二以上の多数を占めるので憲法改正の発議ができる。初心を忘れていなければ憲法改正は自民党の党是であったはずだからこれを条件として大連立に乗ってはいかが。
菅首相の悩みは尽きない。以上の難問をすべて放り出して突然辞任する可能性もあり得る。村山富市、安倍晋三、福田康夫等の例がある。
来年も沖縄普天間問題解決の展望は開けない。沖縄の政治情勢は民主党政府にとって悪くなる一方だ。移転先の名護市長選挙には反対派の稲嶺進が当選、市議会の構成も反対派が多数を占めた。知事選挙では現職の仲井眞弘多も県外移設論に転換し当選。
この問題で辞めた首相は既に村山富市、鳩山由紀夫がいる。菅直人が三人目となるかもしれない。
統一地方選挙では東京都知事選挙が注目される。今下馬評に上がっているのは蓮舫、舛添要一、猪瀬直樹、東国原英夫等。石原再出馬の可能性もある。神奈川県知事松沢成文を推す動きもある。(敬称略)
(ジャーナリスト 青木 亮)
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