トップページ ≫ 社会 ≫ 新エネルギーは身近にある(3)「原発の代替はこれだ」
社会
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枝野経産大臣が東電に対して盛んに叱咤しているものの歯切れが悪い。パーティ券を買ってもらっているからだとは思いたくないが、経産省が原発問題を仕切るくらいの気持ちが欲しいところである。野田総理もいろいろなしがらみを振り切って原発の再稼動はしないと表明すべきである。スリーマイル、チェルノブイリ、東海村と見てくると原発事故は絶対に起きないなんて誰も言えない筈である。いつかは必ず起こりうると考えた方が賢明であろう。思い切って政権の浮沈を原発の廃止に賭けるのである。政府と各省庁が一体となって脱原発に舵を取り日本社会の新たな方向性を打ち出すのである。
さて、そこで、代替エネルギーの問題である。少し前に読売新聞の一面に「地熱発電国立公園で垂直掘り、環境省で認可」とあまり目立たぬ位置に記事があったが、これが重大な意味を持っている。新エネルギー源として一部からはかなり有望視されていたのだったが、環境省の規制がネックとなってなかなか議論が前へ進まなかった地熱発電だったが、ここにきて開発に向けて一気に突破口が開けた感じである。産業技術総合研究所の試算によると、日本の地熱資源量は米国、インドネシアに続き世界第三位とのことである。再生可能なエネルギーとしては太陽光発電や風力発電に比べ、どちらかと言うと一段と低く見られていたが、地熱による発電は天候によって出力を左右される太陽光発電や風力発電よりも三倍以上も効率が良いのである。電気エネルギーへの変換効率は太陽光が17%、風力が13%、地熱が72%と試算されているのである。現在20箇所以上で建設が可能だとの事である。嬉しいことに候補地は阿寒、大雪山、栗駒、磐梯、那須、浅間、立山、伊豆、大山、阿蘇、桜島など日本中にあり、まさに我が国は宝の山だらけと言えるのだ。そして、この地熱発電が実現すれば原発22基分相当の電力を生み出せると試算されているのだ。従来も参入を希望する業者が20社以上もあったが、環境省の言う地熱発生源までを斜めに掘り下げる方式で、できるだけ周囲の環境に影響を与えないようにするとの主張が、ここにきて国内の事情に抗しきれず軟化の兆しをみせはじめ、熱源の上から垂直に掘り下げる方式を認可するとなった訳である。これにより、どれだけトンネルを掘らなければならないのか分からない工事から、垂直掘りで期間と費用の見通しに不安の無い建設工事となり、コストも大幅に軽減される事となったのだ。まったくの朗報ではないか。しかも、この資源の80%以上が国立・国定公園の規制地域下にあるのだ。経済的な土地利用が見込まれないので用地の確保も簡単だろうし、建設コストだって、これまで環境省が主張してきた斜め掘りではなくて、垂直掘りならかなり安く出来るという話である。格好ではないか、しかも過疎地には新しい永続的な雇用も生まれ、さらに、発電所の運営も地域主導の第三セクター方式で行えば理想的ではないだろうか。まあ、いろいろとハードルはあろうが、知恵を絞れば解決できない程のものは無いだろう。従来の電力会社にありがちな、外部から次々と送り込んでくる高給取りが偉そうな顔をして権限を振り回す方式を根本から改め、奉公精神をいつでも堅持できうる人材を中心にして、必要な人員がそれぞれの責任を持って発電現場を管理できるシステムを施設の建設とセットにして作り上げるのである。難しい事ではないのだ、反面教師とすべき材料は日本社会にはいくらでもころがっているではないか。そして私たちに出来ることは地熱発電所の開発に国民的な理解と関心を向ける事だと思うのである。自然災害によって巻き込まれた国難である。地震の国だからこその発想で自然界のエネルギーを上手に活用してゆく。これこそが日本が新たに生きる道であると確信している。
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