トップページ ≫ 社会 ≫ 国民新党内紛の裏側(1)「公党を私物化した果てに」
社会
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民主党との連立維持を主張する国民新党(所属議員8人)の下地幹事長ら6人の国会議員が、連立解消を主張していた亀井代表と亀井亜紀子政調会長を解任して党から放り出した。亀井代表は「解任は認められない」と強く反発し、このゴタゴタがどんな方向に飛び火するのか注目されている。国民から見ればあんなミニ政党にもお家騒動があったのか程度の関心しか向けられていないようだが、この内紛劇の中に今後の政界再編を占う材料がいくつも含まれているのでなかなか興味深いものがある。
どんな泥仕合が展開されるのかと注目していたが、怒り心頭だった筈の亀井静香は翌日になって「混乱の情況に党を置いていることに、代表として大変な責任を感じる。国民新党代表のまま離党する」と記者会見で殊勝ぶって見せたが、よくよく考えてみれば、それこそ身から出た錆で恥ずかしい話である。このまま抗争がエスカレートすれば自分が天下の笑い者にされてしまうと判断して、さっさと幕を下ろしたようだが、さすがこの辺だけは心得ているようであった。
「消費税の引き上げには断固反対なので連立は解消する」いかにもまともに聞こえるが、「連立を維持する」側が解任の理由に挙げたのは「強権政治を排除し議員一人一人の自由な議論を通じて政策を決定したい」との事であり、亀井私党から脱却したかったと言うのが真相だろう。政党を私物化して憚らなかった亀井代表に対し、強烈なノックアウトパンチを見舞った形となったが、あまりにも傍若無人なやり方に堪りかねて、ここでついに爆発してしまったのであろう。
思えば国民新党は郵政民営化を巡る自民党の内部抗争によって誕生した政党であり、発足後も民営化した郵政を何とか元に戻そうと活動してきた政党である。だから選挙では特定郵便局をはじめとする郵政関係者から物心両面にわたる熱心な応援を受けて議席を獲得してきた政策政党なのである。だから、消費税の引き上げ反対を盾に連立解消を唱えるよりも、連立を維持しつつ郵政民営化法改正案を早期に成立させるのが立党の精神にかなっていた訳で支援者の声に応える筋道だったのであり、党是でもあったのだが、公約を無視して、ただ政局の主導権をにぎらんが為に党議を経ずに先走った亀井静香の言動は党の存在そのものを否定する行為であった。誰の目にも是非は明らかなのである。常軌を逸した暴走だが、日ごろから自画自賛のキャラクターが目立っていた亀井静香の地が出ただけであり、策士が策に溺れてしまい政治生命さえ危ぶまれる失態を演じてしまったのである。
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