トップページ ≫ 社会 ≫ 石原慎太郎の研究(3) <中国への切り札は石原>
社会
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かなり前の事であるが、上海で日系IT関連企業の社長N女史と交わした話を思い出す。この方は戦前父親が上海で事業をやっていた関係で、日本へは昭和25年の最終引き上げ船で帰国した方で、その後、日中国交回復がなった直後の昭和48年に再び上海に戻って日中親善に尽くし、中国滞在者として通産大臣から表彰された唯一の女性である。中国で生まれ20代の半ばまでを中国で過ごしたので北京語は勿論のこと、上海語もペラペラで、むしろ遅れて習った日本語の方が少々不自由だと自称するくらいの方で上海最古参である。だから、現地で報道される新聞やテレビからの貴重な情報が聞けるので、週一でお会いするのが楽しみであったが、ある日、「大三岩って誰だか判りますか」と尋ねられた。そんな中国人は知らないと応じると「中国人ではなくて日本人です」と言って上海の有力新聞を見せてくれた。そこには、大きな活字で「日本の10大悪人」の見出しが踊っていたのである。いったい誰なんだろうと思い目をやると、伊藤博文、大三岩、児玉源太郎、板垣征四郎、田中義一、松岡洋右、東条英機、石原莞爾、土肥原賢治、石原慎太郎と並んでいたので、「ああ、大三岩は薩摩の大山巌のことですね」と応じたのだが、頭の中は、どうして石原慎太郎がここに入っているのか不思議で暫く考えた。石原以外は全て日中戦争を推し進めた軍人か、それに深く拘わった政治家で既に故人であるが、中国に迷惑を掛けた人達である。しかしながら、石原慎太郎は中国で悪事を働いた訳ではない、ただ、中国に対して自分の想う所を遠慮せず口にしているだけである。そんな人物に対して、歴史を無視してまでも悪人に仕立て上げている背景を推測してみた末に、ああ、そうか、中国政府にとって石原慎太郎は強敵なんだ、この人を一番怖がっているのだと気づいたのである。言い換えれば、日本で最も手強い相手が石原慎太郎だと認めているようなものである。さらに、ノーベル賞の大江健三郎を招聘してまで石原慎太郎批判をしなければならない中国政府も次元が低いが、ノコノコ出掛けて石原慎太郎をこき下ろす文化人も、よく恥ずかしくないなあと思ってしまったものだ。
つづく
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