トップページ ≫ 社会 ≫ 依然謎のこるノンアルコールビール
社会
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先日、洋酒メーカーのサントリーが発泡酒の販売を終了すると報道された。発泡酒は1994年に同社が業界に先行して開発し、酒税が低いことによる低価格で売上げを伸ばしたが、2004年に酒税がもっと安い第3のビールが登場してからは減速が続いていた。
ビールは大麦の麦芽を発酵させて作るが、原料に占める麦芽比率が67%以上のものが普通のビール、それより麦芽比率の低いものが発泡酒だが、25%未満だと酒税がガクンと下がるので、ほとんどの発泡酒はここに属する。第3のビールは原料が麦芽以外(大豆、エンドウなど)の「その他醸造酒(発泡性)①」と、発泡酒に別のアルコール飲料(スピリッツ)を混ぜて作る「リキュール(発泡性)①」の2種類がある。
酒税は350ml缶について言えば、普通のビールが77円、発泡酒が47円、第3のビールが28円。これが販売価格に跳ね返ってくるわけだ。第3のビールは味や風味にもバラエティがあり、各人の好みに応じて銘柄を選べ、値段も安いとなれば、消費者がこちらに流れるのは当然か。
アルコール分が1%未満だと酒税はかからず、ノンアルコールビールがそれに該当する。2002年の道路交通法改正で飲酒運転が厳罰化されたため、各社からいっせいに売り出された。しかし、微量ながらもアルコールを含んでいたため、ドライバーの不安を招いた。
2009年4月にキリンが世界初のアルコール分0,00%のキリンフリーを発売し、人気を独占、5カ月後に他社が競ってアルコール分0,00%の商品を売り出し、売上げは飛躍的に伸びた。今年もノンアルコールは前年比2割近い伸びが予想されている。
発酵途中でアルコール分を除去、またはアルコールが生成されないよう抑制して製造する。「飲みたいけど飲めない人」を対象とし、ドライバー、妊婦、医者から飲酒を止められている人たちのニーズをとらえた。味も普通のビールにかなり近くなってきている。
不思議なのは酒税がかからないのに店頭価格は第3のビールとほぼ同じだということ。当然、「儲け過ぎだ。もっと安くしろ!」という声が出ている。「製品開発や設備投資に経費がかかったから」と弁明しているが説得性に欠けるのは否めないだろう。
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