社会
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突然ですが、質問です。次の名前は何と読むでしょうか?
楽々 葉留 新千絵 心愛 雅可
旧友の牧野邦仁雄氏は子供の名づけの第一人者で著書も多い。近年は少子化と活字離れで名づけ本の売行きが落ちてきたと嘆いていた。ところが1月に刊行した新作は好調で判を重ねているという。タイトルは『子供の名前が危ない』(KKベストセラーズ ベスト新書)。
牧野氏はこれまで10万人以上の名づけ相談を受け、100万を超える名前の候補にコメントをしてきたが、平成の始めごろから、ちょっと首をひねりたくなるような名前が増えてきたという。そしてここ10年ぐらいに出てきた珍奇ネームは暴走に近い感ありとか。
冒頭の質問にある名前は順に「らら ぱーる、にーちぇ ここあ まさか」と読ませるそうだ! 親は得意満面でつけたのだろうが、子供が幼稚園や小学校に入ると、先生は読み方に戸惑うだろうし、読み間違えられたら子供も悲しい思いをするだろう。からかいやイジメの対象になるかもしれない。「こんな名前をつけるのは親がバカな証拠だ」と就職などでの人間判断の材料にされかねない。実際、変な名前をつけられて親を恨んでいる子供も多いという。
著者はこうした珍奇な名づけの背景として、多くの親の心に潜む無力感、欠乏感、孤独感を取り上げ、こうした劣等感の代償行為で「自分の個性を発揮して名づけする」ことになると分析している。出生届けを受理する役所のほうも、名前のチェックはするものの、親に強く主張されると受理してしまうケースが少なくないようだ。
著者の名づけのベースになっているのは長年の漢字研究で、読者のために具体的な「正しい名づけの方法」まで公開している。その中では姓名判断にも触れている。名字と字画の合う名前を作る方法だが、流派がたくさんあり、字画の数え方すら流派によって違うので、同じ氏名でも大吉になったり、大凶になったりするという。彼は若い時から中国の『易経』に真剣に取り組んでいたのだが、現状の姓名判断や占い対し、さめた見方をしているのが面白かった。
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