社会
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新聞でいちばん好きなページは読書欄。本の広告にまで目を通し、週刊誌の広告ならタイトルを1本1本チェックするほどだ。でも、時々、「何、これ?」というような違和感のある出版広告に出くわす。
1ページの3分の1ほどを使った、某新興宗教が出している零言シリーズ本の広告だ。古今東西のビッグネームの霊を呼び寄せ、霊が発する言葉を本にしている。歴史上の人物だけではない。現存の人物は、その守護霊とかを引っ張り出し、あれこれしゃべらせる。
当のご本人がよしとするなら、まあそれでよい。反論があっても関わりになるのは馬鹿馬鹿しいということもあろう。気になるのは、とかく話題になる教祖殿のスキャンダルを報じた週刊誌の関係者の守護霊を呼び、教祖側に立った自虐的な話をさせていることだ。
週刊誌報道に誤りがあるなら、発信媒体を持っているのだから正面切って反論すればよいだろう。守護霊なるものの存在を信じている人がどれほどいるか知らないが、常識的には守護霊なんかの言葉を使って反論すると逆に信憑性を疑われるはずだ。
書店の棚にズラリと並ぶ霊言シリーズの奥付を見ると、どれも第1刷のみだった。信者の大量購入で教祖の著書は次々とベストセラーになったが、さすがにこの手の本までは付き合いきれないのだろうか。
ともあれ、この種の出版広告が朝日、毎日、読売をはじめ、新聞各紙に掲載されている以上、新聞広告倫理基準や掲載基準をクリアしているわけだ。そこには広告収入の落ち込みに苦しむ新聞社の台所事情がからんでいるという。月に1、2回、大きなスペースで高い広告料金を値引きなしで払ってくれる宗教団体はありがたい存在なのだ。教団にとっても都合の悪い記事を書かれないための保険的意味合いもあろう。読書欄ファンとしては違和感は増すばかりだ。
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