社会
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高さ世界一の東京スカイツリー人気の陰に隠れてしまって知る人は少ないが、今、大阪で日本一の高さを誇るビルが建設中で、10月23日には上棟式が催された。場所は大阪市阿倍野区阿倍野筋1丁目。近鉄百貨店本店のあった所で、近鉄阿部野橋駅やJR天王寺駅、地下鉄駅が集まるターミナルだ。奈良や和歌山への玄関口にあたる。東京で言えば、上野駅のイメージに近い。
上野同様、下町的な商店が軒を連ね、梅田や難波と比べると垢抜けしない街だった。
私は1967年から翌年にかけて証券会社の新入り営業マンとして阿部野で働いたことがあり、連日歩き回ったこの地には特別な思いがある。すぐ辞めたが、その後も関西に行くと、ここまで足をのばすことが多かった。
先日、久し振りに訪ねたら仰天!私の勤務先のあったビルはもちろん、見覚えのある建物はまったくなくなり、降りる駅を間違えたかと思ったほどだ。周りはしゃれた真新しい大型ビルが林立し、その中心に60階建て300mの日本最高ビルがそびえ立つ。
2014年春に全面開業予定で、低層階には先行開業する近鉄百貨店(売り場面積はここが日本一に)、その上にオフィスやホテルが入る。58~60階は展望室になり、東京スカイツリーみたいな人出が期待されている。
1976年から大阪市の阿倍野再開発事業が始まり、この地区が少しずつ変貌していることは感じていた。阿倍野から飛田新地(西成区)に至る旭町商店街は、飛田に近づくにつれ魔窟的様相が濃くなる妖しい通りだったが、その最もディープな地帯に大規模マンションが出現した時も驚いた。
ともあれ、阿倍野界隈は大変貌し、地価も大阪で最も上がっているという。ここを見る限り、とかく言われる大阪の沈滞は嘘のようだ。
しかし、阿倍野から歩いて10分ちょっとの西成に行くと、状況は一変。アーケード街はシャッター通りと化し、通りをおおう屋根も破れたり吹っ飛んだまま。目と鼻の距離なのにこの落差、唖然とするしかなかった。1年半後、地上300mから、落差はどのように見えるだろうか。
(山田 洋)
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