トップページ ≫ 社会 ≫ いつも外人に先を越される日本の投資家
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衆議院解散が決まった直後の11月15日から日本の株価は上昇開始、途中たいした下げもなく、12月19日には日経平均株価は1万円を突破した。この間の上げ幅は1500円にもなり、上昇率17%だ。衆議院選挙での自民党優勢予想から、金融緩和圧力が強まり円安も進む、との期待で外人買いが入り、予想以上の自民党圧勝で上げに拍車がかかった。
当初は、日本株を売っていたヘッジファンドの買い戻しが主だったが、海外年金資金も加わり、相場は力強いものとなった。今や「日本株を持たざるリスク」まで意識されるようになり、売買高も膨らみ、東京証券取引所第1部市場の1日の売買代金はひところの倍の2兆円前後に達している。こうなると市場には強気な見方が支配的となり、平均株価1万2000円とか1万5000円を予想する人も出てきた。
1月半ばから3月末までの上昇相場でも主役は外人だった。日本の個人投資家は相場に対して半信半疑で出動が遅れた。今回、個人投資家は買い注文より売り注文を多く出す売り越しのスタンスを続けた。売り注文の中には信用取引のカラ売りもかなりあるようだ。長らく低迷相場が続いたため、上がると売るという習性が身についてしまったのか。自民党の安部総裁の踏み込んだ金融緩和策やインフレ目標発言にも冷めた見方が多かったのも事実だ。東京市場の売買高シェア7割近くを占める外人勢の動向が国内投資家のセンチメントを圧倒した形だ。
しかし、年初も今回も、上昇直前の各種株式指標が国際的にも割安水準にあることを示していた。何かのきっかけさえあれば、上昇して当然の状態だったのだ。衆議院解散決定直後の力強い上昇を見て、相場が転換したと判断した投資家も少なくないはず。株式投資において、相場の流れの変化を見極めるのは、有望銘柄を選ぶのと同様に重要なことだ。どんなに良い銘柄を買っても、市場が下げ相場に入ったら値下がりしてしまうことが多いが、今回はその逆になる。
この上げ相場はまだ序の口との説もあり、新年に一段高を期待する向きは多い。だが、欧州はギリシャ危機が依然くすぶり、米国は「財政の崖」と呼ばれる問題が年越ししそうだ。日本でも安部新政権には危うさがつきまとう。
上昇過程でも常に相場の変化には敏感でありたい。外人がうまく売り抜け、日本の個人投資家がババをつかんで相場が終わるというパターンは繰り返してほしくない。
(山田 洋)
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