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社会
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衆議院解散決定の翌日(11月15日)から日本の株価は上昇開始、途中たいした下げもなく、3月に入って日経平均株価は1万1700円に達し、値上がり幅で3000円、値上がり率35%となった。それまで株価が企業の1株当たり資産価値を下回るなど、各種指標面からも日本株の割安が顕著になっていたところに金融緩和、脱デフレへの期待感が台頭し、円安、株高が同時に進んだ。
今回の主役は、日本の株式売買シェアの7割近くを占めていた外人投資家だった。相場スタート時から一貫して大幅買い越しを続けている。それを見て国内の個人投資家が1月から買い越しに転じてきた。国内金融機関、とりわけ信託銀行は依然大幅売り越しだ。
市場心理の変化は証券関係者の発言にもあらわれている。昨年末あたりまでは株高に対して意外なくらい慎重な対応をしていたが、時とともに強気な意見が支配的になってきた。年内に日経平均1万3000円(時価より11パーセント高)という予想は当然のように語られ、もっと高値を口にする人も増えている。
この相場以前には証券会社の多くが赤字を出し、リストラはおろか廃業を検討している会社も少なくなかった。久し振りに訪れた活況に喜び、その持続を願う気持ちが入っての強気説かもしれない。こうなると週刊誌までが株価暴騰をはやしたてる。毎度おなじみのパターンだ。
多くの企業が3月決算を採用し、その業績発表がゴールデンウィーク明けに本格化するが、円安の恩恵を受ける輸出型企業を始めとして、事前予想より良い数字が出そうだ。同時に発表される来年3月期の業績予想はさらに良い数字が出そうとの期待が今の株高を支えている。そして何より世界的な金融緩和による金余りが背景にある。
しかし、日本の株価はかなり急ピッチで上げてきた。ふだんは動きの少ない倉庫株が軒並み、1日で2割高するなど、バブル時代の様相すら呈してきた。証券会社は主要な銘柄に格付けをして目標株価を算出しているが、すでに目標株価超えしたものが多い。
今後の一段高の可能性はあるにしても、その前に適度の調整は必要だろう。米国、欧州、中国それぞれが問題を内包しており、それが表面化し、一転、円高へ、そして外人買いが引っ込むという想定さえも頭の片隅に入れておきたい。
(山田 洋)
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