トップページ ≫ 社会 ≫ 万年下位、変じて優勝一直線~大宮アルデージャ
社会
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当初は半信半疑だったが、ここまで来ると「どうやら力は本物だ」と思えるようになった。サッカーJリーグで毎年J1残留争いをしていた大宮アルディージャが快進撃を続けているのだ。5月11日に仙台に敗れて連続無敗記録は21でストップしたものの、その後は2連勝。優勝争いの常連である横浜F・マリノス、鹿島アントラーズ、そして浦和レッズに勝ち点で差をつけ、堂々の首位をキープしている。
無敗記録は昨年9月にスタートしており、決して「春の椿事」ではない。昨季途中で監督がベルデニックに代わり、FWのノバコビッチとズラタンが加入し、戦術・戦力両面の向上がよい結果を出しているようだ。
それにしてもここまでの道は長かった。以前、大宮公園サッカー場(現・NACK5スタジアム大宮)のすぐ近くに住んでいたこともあり、J2時代からアルディージャの試合を見てきた。家の一部を改造して開業した沖縄料理店に選手たちを招いたこともあった。だから2004年にJ1昇格を決めた時は飛び上がって喜んだ。
しかし、昇格後はずっと下位に低迷し続けた。「ついにJ2落ちか」と諦めかけたことは何回もあった。おもしろいのはそこから何とか粘り、最後の最後で踏みとどまってしまうのだ。「残留王」とまで呼ばれ、「落ちない」にちなんで、受験生向けに「落ちない!お守り」が作られ、すぐ完売した。すごい自虐商法だ。
とはいえ、応援する側にはストレスがたまる。近年はホームでの試合に弱かったから、なおさらだ。ビールの酔いも手伝って、きつい野次を飛ばし、周囲から白い目で見られたこともしばしばあった。長年、選手たちとともに苦杯をなめてきたアルディージャのサポーターたちは心優しいようだ。
連続無敗記録が途切れても、それが後を引く心配はなさそう。万年下位チームが優勝する、そんなドラマのようなストーリーの実現も夢ではなくなりつつある。 (山田 洋)
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