社会
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浦和駅西口の道沿いに2週間前から「裁判員制度に断固反対する市民集会~まっぴらごめん裁判員」の立て看板が置かれた。
2009年5月に施行され、今年で4年目になる裁判員制度について、私も以前から疑問をもつひとりとして、実際に話を聞こうと週末会場へ足を運んでみた。
当日は、沖縄から来た岡島実弁護士、世田谷区長の保坂展人氏が実体験を交えながらの講演となった。
岡島弁護士は、自らが弁護人として関わり、今だに決着していない南風(はいばる)事件を参考に話を進めた。裁判員裁判の目的は「国民の司法参加」ではなく「国民の司法動員」であり、必然的に増えている誤判のリスクを転嫁するためである。そして、国民を教育するために行われ、人権を無視しているのだと強く訴えた。
保坂氏は、当初を振り返り、裁判員制度を世の中に広めるための費用として、約27億円が税金から使われたこと、7千万円の映画を作成し、酒井法子さんを起用したものの、3か月後に覚せい剤事件で逮捕され、散々なスタートであったことを話した。
裁判員制度は、人の人生を変えてしまう恐ろしい制度であると強調。
アンケートでは、裁判官と裁判員が対等に話し合いできる訳がないという意見が多くあり、ましてその話し合いは密室で行われ、内容は墓場までもっていかなければならない。裁判官のように法を学び、その道のプロである人に素人が意見することなど有り得ないとも書かれていた。
また、死刑判決に関わった裁判員の多くは、殺害された写真を見たり、人を自らが死に追いやってしまったという罪の意識が消えず、ストレス障害になってしまうという報告が相次いでいるのだ。
自分にもいつ送られてくるかわからない裁判員候補の呼出し状。決して他人ごとではない。
医療や学校など誰だってその道の先生と言われている人、プロのお願いしたいと思うのだから、素人が人を裁き、死刑を決める裁判することはおかしいことだ。ましてやそれが、誤判のリスクを転嫁するものであるのであれば、許しがたい事実である。
裁判制度は、廃止に向けて見直しをすべきではないだろうか。
(馬渕 凛子)
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