社会
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参議院選挙もいよいよ最終版である。埼玉県選挙区にも各党の党首や実力者が入り、応援に一層の熱が入っている。例年に無く梅雨が早く明け、予想だにしなかった程の酷暑が到来する中を、選挙戦がこれに拍車をかけるようにヒートアップさせている。しかしながら、多くの主権者は、結構、覚めた目で眺めているようだ。熱く燃えているのは、候補者と、その周辺に群がるほんの一握りの人たちだけである。多くの県民はメディアが報じた世論調査による勝敗予測が自民大勝とした為か、この参院選挙への関心が遠のき、驚くほどに低い反応である。投票日まで、このままの社会情勢で推移すれば、この予想が大きく外れる事は無さそうな情況である事は日本国民の共同認識でさえある。本県も自公に続く三番目の議席を「裏切り者を許すな」と仇討ちに執念を燃やす民主党と、口先だけの民主党に見切りをつけ、さらに、みどりの風も吹きそうにないので、みんなの所へ身を寄せた「東京の下町育ち」がキャッチフレーズの女性候補とのガチンコ勝負になっている模様だが、これが燃え上がっているのである。よそ者がバレバレなこのフレーズをいたくお気に入りのようだが、このお嬢様候補も遊泳術だけはなかなかしたたかとの評判である。たしか、五輪金メダリストにも下町の肉屋さんの息子がいたが、いっそキャッチコピーを「下町育ちの世渡り上手」にした方がよく似合うと思うのだが、健気な戦いぶりで、埼玉情勢は予断を許さない情況にあると言える。まあ、どちらが当選するにしても、国政にさしたる影響は無いと思えるのだが、江戸時代の女敵(めがたき)討ちではあるまいに、こんな低次元の戦いに血道をあげている選挙の指揮官が本県選出の前政権幹部なのである。闘争心を煽るためとは言え、芸能週刊誌が飛びつくような低レベルのお題目に、心ある県民の多くがガッカリしているである。投票率が低ければ民主党の組織選挙が見事な仇討ちを果たすであろうし、高くなれば浮動票頼みの下町スイマーが勝つだろうと噂されているが、果たしてどうなるのか。審判は間もなく下される。
2007年の参議院選挙で民主党は二候補で140万票を獲得して二議席を確保して勢いづき、2010年の参議院選挙でも二候補を押し立ててはみたが110万票しか取れずに一議席を失ってしまった民主党だが、今回、公認候補は一人だけであるが、前回票の半分もとれるか大いに危ぶまれる始末である。政界は一歩先が闇であるとよく言われているが、果たしてどうなるのか、興味は尽きないところだ。この埼玉対決は民主党対脱民主党という同じ穴の狢の対決だが、言わば地上戦型の組織選挙対空中戦型浮動票目当ての選挙、労働貴族対元エリートOL、専門家玄人軍団対寄せ集め素人集団など、あらゆる面で対極にある両者の対決が埼玉で繰り広げられているのであるが、このデスマッチを見逃す事なく是非見届けて欲しいものだ。
(仁 清)
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